従来の「大学入試センター試験」が廃止され、2021年度より「大学入学共通テスト」が新たに始まります。ご準備はできていますでしょうか?
国公立大学と私立大学、どちらも多くの学校が大学入学共通テストを利用した方式を採用しています。
入試の大枠は変わりませんが、英語科目の試験内容には重要な変更点がいくつかあります。
今回は大学入学共通テストの英語科目の変更点と、新テストで高得点を取るヒントをわかりやすくご紹介します。
(記事更新日:)
目次
大学入学共通テスト「英語」の主な変更点
リスニングとリーディングの配点比率が1:1に変更
従来のセンター試験ではリスニングが50点、リーディングが200点の合計250点満点でした。
大学入学共通テストではリスニングが100点、リーディングが100点の合計200点満点です。
リスニングとリーディングの配点比率が4:1から1:1に変わり、相対的にリスニングの得点比重が増しました。
ただし、成績の利用には配点比率を各大学が自由に決められるため、中にはセンター試験と同じ4:1の比率を維持する学校もあります。
リスニング分野が苦手な受験生の方にとっては悲報かもしれませんが、急に難易度が上がるというわけではなく、今まで通り入念な試験対策が功を奏すことになります。
発音やアクセント、語句整序など文法問題を廃止して読解力を重視
大学入学共通テストでは「筆記」が「リーディング」に名称変更され、読む力、読解に特化した内容へと変わります。
例えば、前半に出題されていた発音・アクセント・語句整序など単独で問う問題がなくなり、長文読解に関連する問題が増えます。
今回、センター試験の時に得点源になりやすかった単独問題が新テストで削除されることは特徴的な事柄です。
★英語4技能のいづれかに偏ることなくバランスの取れた英語運用力(実生活で使える英語力)が問われることになります。
読む文章量が増えて高度な速読力や語彙力が必要になる
大学入学共通テストのリーディングでは、日常会話風の文章や図表などの読み取りを求める問題など、センター試験よりも幅広いテーマが出題される傾向にあります。
読み取らなければならない文章量も増え、比例して必要な語彙量も多くなります。
より速い読解スピード(速読力)や豊富な語彙量(語彙力)が求めらるため、難易度が上がったように感じる受験生の方も多いのではないでしょうか。
リスニングで流れる音声回数が減り、正確な聞き取りが重要
大学入学共通テストのリスニングでは、問題音声が2回繰り返して読まれていたものが1回だけになる問題もあります。
また、読み上げられる音声の質も変わります。
センター試験では比較的聞き取りやすいネイティブスピーカーの英語でしたが、共通テストではアメリカ英語やイギリス英語の他、非ネイティブの外国人による英語も流れる場合があります。
グローバル化する社会で実用的な英語力を身につけるために、より実践を意識したリスニングの試験内容に変わったと言えます。
大学入学共通テスト「英語」は日常生活の読む・聞く力を問う
大学入学共通テストの英語科目では、リスニング・リーディングともに、日常生活で使える実践的な聞く力・読む力が問われるようになります。
リスニングで問題音声の読み上げが1回に減らされたのは、より日常生活に沿うように変更されたのではないかと思います。
アメリカ英語、イギリス英語ほかネイティブスピーカー以外の英語が混ざっていたり、日本人が聞き取りやすいような低速ではなく自然な会話スピードで問題音声がつくられていたり、大学入学共通テストはいわゆる”受験英語からの脱却”を目指しているように感じます。
受験生の皆さんが大学生になり、社会人になったら多国籍な人と接する機会が今以上に増えて多様な価値観や文化などに触れることになります。
ご自身の可能性を広げるなら、まずは言語の多様性に慣れる必要があります。
大学入学共通テスト対策としての英語の勉強がその第一歩になるのではないでしょうか。
大学入学共通テスト「英語」で高得点を取るヒント
様々なタイプの問題演習で思考力・判断力・表現力を鍛える
Q. そもそも、大学入試センター試験から大学入学共通テストに変わった理由は?
世界各国が急速にグローバル化する中で、「知識・技能」の暗記重視型な教育を見直し、知識・技能を前提とした「思考力・判断力・表現力」を身につけた人材を育てるという意図があります。
結果、英語科目の試験では暗記で解けてしまうような単独問題は出題されなくなりました。
代わりに、文章と図表を組み合わせて読み取る問題やリスニング音声で聞き取った情報から推測して解答する問題など、応用力を問うものが多く出題されるようになります。
「思考力・判断力・表現力」を鍛えるためには、様々なタイプの実践問題に挑戦してパターンを掴み、必要スキルを養っていくことが重要です。
2017年度と2018年度に「施行調査」という形で大学入学共通テストの模擬試験が行われました。
模擬試験や市販の問題集を解き、出題の傾向をしっかり掴んでいきましょう。
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★大学入学共通テストと大学入試センター試験は全く別物ではありません。共通点も多く、従来の過去問が受験対策の参考になります。
難解な長文読解には、語彙量を増やして対抗
大学入試センター試験を解くのに必要な語彙数は約4,200語に対し、大学入学共通テストでは約5,400語と、約1,200語も増えています。
同じ試験時間内により多くの長文を素早く読み解く「速読力」を高める必要があります。
速読力を磨くためには、まずは根本となる語彙力の強化が重要です。
大学入学共通テストでは求められる語彙数が圧倒的に増えるので、地道な単語やイディオムなどの表現などを暗記していきましょう。
語彙量を増やすと知らない単語が登場しても前後の文脈から推測が可能になり、読解スピードが上がります。
大学入学共通テストの最新情報を必ずチェック
新しい試験形態なので、わからないことや不安を抱えている受験生の方、親御さんがたくさんいらっしゃると思います。
大学入学共通テストに関する最新情報は運営団体・独立行政法人大学入試センターの公式ホームページで確認することができます。
≫公式ホームページ:独立行政法人大学入試センター
また、新テストを攻略するコツは大学受験予備校や英語塾などで発信されています。
公式情報をこまめにチェックされることをおすすめします。
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大学入学共通テスト「英語」まとめ
2021年度から大学入学共通テストが始まり、特に英語科目は大きな変更点があります。
最後に、変更点をまとめます。
- リスニングとリーディングの配点比率が1:1に変更
- 発音やアクセント、語句整序など単独問題を廃止して読解力重視へ
- 長文問題の文章量が増えたことで高度な速読力や語彙力が必要
- リスニング問題音声で読み上げる回数が減り、正確な聞き取りが重要
大学入試センター試験の過去問を解くことは、共通テスト対策としても有効な手段です。
また、公式ホームページ等で公表されている変更点の傾向を掴んだ上で、語彙力や長文読解力、速読力などを着実に磨いていくことが大切です。
ぜひ、早めに対策に取り組みましょう。
英語学校しらべ編集長
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