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イギリスやアメリカの大学進学に欠かせないIELTS(アイエルツ)は、TOEICや英検より難しいテストだと言われています。
では、IELTSはどのような点が他の英語試験と違うのでしょうか?
そこで今回は、IELTSの難易度をテスト特徴や他の英語資格試験との比較から解説いたします。海外大学留学に必要なスコアもまとめました。
(最終更新日:)
目次
IELTSを”日本人は難易度が高い”と感じる理由
大学講義の専門用語含むアカデミックな出題内容
IELTSは、イギリスやアメリカなど英語圏の大学留学や移住の申請にスコアが用いられるテストです。
英語で大学講義の内容や教授、生徒との会話などを理解する能力を測定するため、アカデミックな専門用語を含む問題が出題されます。
日常会話レベルの知識では対応できず、馴染みのない専門的な単語はもちろん学術分野の背景理解も必要です。日本人にとってアカデミック英語のIELTSは難しいテストです。
参考書や問題集、単語帳など独学教材の種類も豊富ではないので、勉強への難易度も高いと言えます。
試験官との対面式スピーキングテストがある
試験官との対面式スピーキングテスト(約11分〜14分間)があり、この技能にも専門用語含むアカデミック英語が出題されることも、IELTS難易度が高い理由の一つです。
日本の英語教育の特徴として、授業で「読む・聞く」を積極的に学ぶ一方で、「書く・話す」のアウトプットスキルは手薄で、苦手な人が多い傾向にあります。
大学入試でもスピーキングテストがなく、英語を話す練習が少ない現状です。
ハイスコアを狙うなら、話す技能を向上させる実践的なトレーニングが必要です。
約3時間もの長丁場な試験を1日で受験
IELTSは約3時間もの長時間かけて行うテストで、4技能の測定を1日で実施します。
ライティング60分、リーディング60分、リスニング40分、スピーキング約11〜14分と非常に長く、体力も消耗します。集中力との闘いでもある点、IELTS攻略の難しさです。
英検の場合は一次試験(リスニング、筆記)と二次試験(面接)に分かれ、スピーキングテストである二次試験は別日に行うのが一般的です。
他の英語資格試験と比べてもハードスケジュールなことがわかります。
IELTSと他の英語4技能試験の難易度比較
CEFRに基づくIELTS・TOEFL・TOEIC・英検のスコア換算
★文部科学省によるCEFR換算表より、IELTSと他英語資格試験の難易度を比較してみましょう。
IELTSは英検2級以上相応の難しいテストだと言えます。
CEFR IELTS TOEFL iBT TOEIC L&R 英検 C2 8.5〜9.0 – – – C1 7.0〜8.0 95〜120 1,845〜1,990 1級 B2 5.5〜6.5 72〜94 1,560〜1,840 準1級〜1級 B1 4.0〜5.0 42〜71 1,150〜1,555 2級〜準1級 A2 – – 625〜1,145 準2級〜2級 A1 – – 320〜620 3級〜準2級
CEFRとは
CEFR(Common European Framework of Reference for Languages:セファール)とは、「ヨーロッパ言語共通参照枠」という国際基準で英語能力を比較する指標です。
10年以上前からグローバルスタンダードとして運用されており、異なる英語テストでも共通の基準でスコアや英語力を評価することができます。
日本では大学入試の際の英語力評価にも使われており、普及し始めています。
よくある質問 Q. IELTSとTOEFLの違いは?
どちらも英語圏の大学留学に必要なテストです。
英語4技能(スピーキング、リスニング、ライティング、リーディング)を測定し、受験料も同額程度です。
IELTSとTOEFLの大きな違いは3つ。スコアを使えない留学先があること、受験形式、試験時間です。
TOEFLはアメリカやカナダ、イギリス、オーストラリアなど留学の主要国で認められています。
IELTSはカナダやイギリス、オーストラリア、ニュージーランド、アイルランドなどで認められているものの、アメリカの一部大学では利用できません。
また、日本で受験する場合、TOEFLはパソコンを使って受験しますが、IELTSにはパソコン(コンピューター版)とペーパー版の2種類から形式を選べます。
試験時間については、TOEFLが4時間〜4時間30分、IELTSが約3時間です。
IELTSバンドスコア別の英語力証明レベル
IELTSの得点は、4技能別に最高得点の9点〜最低得点の1点の間でバンドスコア評価されます。
英語力目安は以下の通りです。
バンドスコア 英語力の目安 9
エキスパート・ユーザー
十分に英語を駆使する能力を有している。
適切、正確かつ流暢で、完全な理解力もある。
8
非常に優秀なユーザー
時折、非体系的な不正確さや不適切さがみられるものの、十分に英語を駆使する能力を有している。
慣れない状況においては、誤解が生ずることもありえる。
込み入った議論に、うまく対応できる。
7
優秀なユーザー
時折、不正確さや不適切さがみられ、また状況によっては誤解が生ずる可能性もあるが、英語を駆使する能力を有している。
複雑な言語も概して上手く扱っており、詳細な論理を理解している。
6
有能なユーザー
不正確さ、不適切さ、および誤解がいくらか見られるものの、概して効果的に英語を駆使する能力を有している。
特に、慣れた状況においては、かなり複雑な言語を使いこなすことができる。
5
中程度のユーザー
部分的に英語を駆使する能力を有しており、大概の状況において全体的な意味をつかむことができる。
ただし、多くの間違いを犯すことも予想される。自身の分野においては、基本的なコミュニケーションを行うことができる。
4
限定的ユーザー
慣れた状況おいてのみ、基本的能力を発揮できる。
理解力、表現力の問題が頻繁にみられる。複雑な言語は使用できない。
3
非常に限定的なユーザー
非常に慣れた状況おいて、一般的な意味のみを伝え、理解することができる。
コミュニケーションが頻繁に途絶える。
2
一時的なユーザー
確実なコミュニケーションを行うことは不可能。
慣れた状況下で、その場の必要性に対処するため、極めて基本的な情報を単語の羅列や短い定型句を用いて伝えることしかできない。
英語による会話、および文章を理解するのに非常に苦労する。
1
非ユーザー
いくつかの単語を羅列して用いることしかできず、基本的に英語を使用する能力を有していない。
(出典:『バンドスコアの解釈について』)
IELTSの海外大学留学に必要な目安のスコア
合格基準となるIELTSスコアは出願先の国や大学によって異なります。
留学の主要国を例に、スコアの目安を確認しましょう。
国 | IELTSスコア |
アメリカ | 6.5〜7.0 |
カナダ | 6.5〜7.0 |
イギリス | 7.0〜7.5 |
オーストラリア | 7.0〜7.5 |
アメリカやカナダなど北米に比べて、イギリスやオーストラリアの大学の方が求めるIELTSスコアは高い傾向にあります。
大学院留学の場合は目安に0.5〜1点ほど上のスコアが必要です。
★出願の際に知っておきたい基礎知識として、「条件付き合格」があります。
条件付き合格とは、必要なIELTSスコアに届いてはいないが履歴書や面接、他の試験スコアの成績が良いという理由で受かることです。
条件付き合格となった場合、入学までに規定スコアに到達すれば正式な合格に認定されます。
イギリスやオーストラリアでこの制度を採用する大学が多い一方、アメリカやカナダでは少ないのが現状です。
志望校の試験制度やIELTSスコアは事前に確認しておきましょう。
IELTS(アイエルツ)の試験特徴
IELTS(International English Language Testing System:アイエルツ)は、英語圏の大学進学や就労、移住生活に十分な英語力があるかを測定するテストで、世界各国で毎年350万人以上が受験しています。
約6,000もの国際機関や政府機関、教育機関で採用され、世界基準ではトップクラスで権威ある英語試験と言えます。
日本では海外大学留学での英語力証明ほか、国内の大学入試時の合否判定などにも用いられています。
また、目的別に2種類の試験が用意されているのも特徴です。
海外大学留学を目指す方向けの「アカデミックモジュール」と、海外移住や就職を目指す方向けの「ジェネラルトレーニングモジュール」です。
どちらも4技能「Reading・Listening・Writing・Speaking」から出題されます。
IELTSの難易度まとめ
IELTSは専門性があり難しいアカデミック英語の分野から出題され、苦戦を強いられる日本人が実に多いです。
学術的なテーマの問題が出題されるIELTSは他の英語試験と比較して馴染みがなく、日本人にとってハイスコア獲得への難易度が高いと言えます。
また、試験管とのスピーキングテストや長時間の試験を1日で実施するので、体力と集中力も試されます。
市販の対策本は種類が少なく、自分に合う勉強法に出会うこともハイスコア獲得には重要です。
闇雲にアカデミックな単語の暗記や公式形式の問題を解いたり、ハウツー本に乗っている解法を片っ端から試すようなIELTS学習はあまり効率的とは言えません。
IELTSの難易度をしっかりと理解し、弱点克服、そして高得点攻略に向けたIELTS対策の早期スタートをおすすめします。
必要に応じて、IELTS対策コースのある英語塾やスクールを活用するのも一つの最善策ではないでしょうか。
皆様の健闘を祈っております。
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英語学校しらべ編集長
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